先日このようなやりとりがあった。
(解説が遅くなって、ごめんなさい)
西原ウミ氏から
「(トレーニングの)順番ってけっこう重要ですか?」
との質問を頂いた。
みなさんはトレーニングメニューをどのように組んでいるのだろうか?
空いてるマシーンから順番に?
好きなメニューから?
いわゆるBIG3から始めるの?
もしトレーニングの順番によって筋トレの効果が変わってくるとしたら
適当な順番でトレーニングを行うのは非常に勿体無い!!!!
そこで、今回は「トレーニングの順番」について記事を書く。
結論:トレーニングの順番にはこだわれ!!
以下、解説する。
目次
トレーニングの順番その1:大から小へ
まず最初に、筋肥大・筋力向上の仕組みについて簡単に解説する。
筋肥大・筋力向上の仕組み
筋トレでは、その対象筋を刺激し、追い込み、疲れさせる必要がある。
次はもっとしんどいかも。次回に備えて大きくなろうっと!!
こんな感じで、筋肉に
「このままじゃ死ぬ。もっと大きい筋肉に!もっと強いパワーを出さないとヤバイ。」
と感じさせることが筋肥大に置いて、一番大切なのだ。
このことを前提として、以下トレーニングの順番について解説する。
コンパウンド種目・アイソレート種目
まず一つ目は、「大きな筋肉から刺激させる」である。
これは王道な考え方で、多くのトレーニーが実践していることだろう。
胸トレだと、
1.ベンチプレス 【大】【コンパウンド種目】
2.インクラインダンベルプレス【小】【アイソレート種目】
3.ダンベルフライ【小】【アイソレート種目】
といった感じだ。
先に、大きな筋肉で重い重量を扱うことで、たくさんの筋肉を疲労させる狙いがある。
ここで先ほど【 】に記入した「コンパウンド種目」と「アイソレート種目」について説明する。
コンパウンド種目は複合関節種目を指し、複数の関節を動かす種目である。
簡単に言えば、複数の筋肉を動員するので「大きな筋肉」「たくさんの筋肉」を刺激し、高重量を扱うことができる。
アイソレート(アイソレーション)種目は単関節種目を指し、一つの関節を動かす種目である。
簡単に言えば、一つの筋肉しか刺激しないので、ピンポイントで疲労させることが可能だが、軽い重量しか扱えず、すぐに疲労する。
である。表にまとめるとこんな感じ↓↓
コンパウンド種目【複合関節種目】 | アイソレート種目【単関節種目】 | |
使用重量 | 高重量 | 軽重量 |
怪我のリスク | 大 | 小 |
種目例 | ベンチプレス デッドリフト スクワット | ダンベルプレス ラットプルダウン レッグエクステンション |
※正確には、ラットプルダウンは広背筋や大円筋を刺激するので、アイソレート種目ではないが、今回は使用重量なども鑑み、アイソレーション種目としました
いかがでしょうか。以上をまとめます。
王道のトレーニング順は、
大きな筋肉【複数の関節かつ高重量】からトレーニングを始めて、最後に細かい筋肉を刺激してオールアウトさせる。逆だと、トレーニングの総負荷重量が軽くなってしまうので注意。
ちなみに背中のトレーニングは、体全体のアップの意味も込めて
チンニング(懸垂)から始める人が多いぞ!!!!!
1.懸垂(アップの意味も込めて)
2.デッドリフト や ベントオーバーロー
3.ラットプルダウン や ローロー
である。
正確には背中のメニューはほとんど多関節種目だが、この順番で間違いはなさそう。
トレーニングの順番その2:POF法
POFとは、ご存知の方も多いと思うが再度確認しておこう。
POF・・・Position of Flexionの略
もっと詳しくみていこう。
POF法は、次の3つから成るトレーニング方法だ。
- ミッドレンジ種目・・・動作の中盤で最も負荷がかかる多関節種目
- ストレッチ種目・・・筋肉がストレッチしている状態で強い負荷がかかる単関節種目
- コントラクト種目(収縮)・・・筋肉が収縮した状態で最大負荷がかかる単関節種目
そしてこれらのトレーニングを
ミッドレンジ種目→ストレッチ種目→収縮種目
の順で取り組むことを
POF法と呼ぶ。
なんとなくイメージできたでしょうか?
さらに、具体的な例で解説しよう。
胸のPOF法では
ミッドレンジ種目・・・ベンチプレス
ストレッチ種目・・・ダンベルフライ
(この時大胸筋が伸展【ストレッチ】している)
収縮種目・・・ケーブルクロス
(胸の前でクロスさせる時に胸が収縮している)
である。
この場合
ベンチプレス→ダンベルフライ→ケーブルクロスの順でトレーニングを行う。
上腕二頭筋でいうと
ミッドレンジ種目・・・バーベルカール
ストレッチ種目・・・インクラインカール
収縮種目・・・コンセントレーションカール
となる。
最初の「ミッドレンジ」では高重量を扱うことができるので、
「大から小へ」と同じ感覚でトレーニングメニューが組めるであろう。
このPOF法はAJKWさんもオススメのトレーニング法で、キレホーも意識的に取り入れている。
AJKWさんのトレーニング方法はこちら↓↓
トレーニングの順番その3:事前疲労法と逆事前疲労法
これは、山本義徳先生の「ウェイトトレーニングのテクニック」で勉強した内容だ。
体系的なスキルを身に付ける上で、山本義徳の業績集は必読である。
では、事前疲労法について解説する。
例えば、上腕三頭筋が弱いトレーニーがいるとする。
最初にベンチプレスをすると、大胸筋が疲労する前に三頭筋が疲労してしまい、対象筋である「大胸筋」がオールアウトできない。
その対策として、先に「ダンベルフライ」を行い、大胸筋だけを疲労させ、その後にベンチプレスを行う。
すると、三頭筋が元気な状態でベンチプレスが可能になり、その結果、大胸筋も三頭筋も追い込める
ということになる。
これが、事前疲労法。
ベンチプレスで「三頭筋」がうまく使えない人はこの方法だと、効かせ方がわかりやすくなるので、ぜひ挑戦したい。
また、山本義徳先生は「逆」事前疲労法というモノを提唱されている。
レッグエクステンションで追い込んだ後に「スクワット」を行う。
スクワットを行う時点では、すでにレッグエクステンションで大腿四頭筋はオールアウト。
だから、後脚(ハムストリング)を中心にスクワットを行うことになり、フォーム改善に繋がるというわけだ。
トレーニングの順番にこだわれ!
王道は、大きい筋肉(多関節・高重量)から始める
ただし、刺激に慣れさせないことも大事。たまには違う順番で行うも、良し。
初心者の頃に知っておきたかった知識はこちら↓
デカくなりたい人はこの記事を読もう↓↓